チャルダッシュでカタルシス乞い

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引っ越し荷物から出てきたGクレフのCD、ペルメル。
最近、聴いてます。

バイオリン、チェロ、ピアノのトリオで無茶な演奏をする人たち。
特に無茶なのがモンティのチャルダッシュ

チャルダッシュとは、ハンガリー音楽の一ジャンルで、バイオリン曲としてはモンティのチャルダッシュがすごく有名である。形式は遅いパートと早いパートからなっていて、遅いパートで哀愁ただよう演歌を歌い上げ、早いパートは突っ走る。民族音楽であり演歌である。

このように、もともとこってりした曲なのだが、この人たちのチャルダッシュは過剰に濃厚だ。
なんてったって、いきなり「ぬおりゃー」という野太い男の声から始まって呆然とすると、続いて始まる粘着質なバイオリンの音色に自失しそうになる。
「俺はもっと弾きたいんだーッ!」という荒ぶる魂が一小節一小節にミッチリ詰まってるのだ。

バイオリンを習っていた学生時代、町のひなびた中古CD屋で見つけて何となく聴いたら、いたくショックを受けた覚えがある。
と、同時に吹っ切れもした。こんな風に、情念全開で弾いてもいいんだと。

まあ、クラシック的にはダメなわけですが。

どちらにしても、こういった既成概念が崩れるのはカタルシスを感じる。
久々にそういうこともないかなと、チャルダッシュを聴いているこの頃だが、朝から晩まで死亡遊戯状態の仕事ばかりで、全くそんな気配はないのであった。