シリコンバレーの神様とthe Oneと軍隊

シリコンバレーでは、ヒエラルキーの頂点にソフトウェア産業従事者が君臨している」という話。

ここだけ見ると、日本の技術者と比べてなんたる違いか、と我が身を嘆きたくなるかもしれないが、実はこの高給取り達は、本当に神様のような人たちである。


と、いうのも、同Blogの前日の記事を見れば分かるが、給与は上がっても雇用は減っているという状況が一方にある。

つまり、超優秀な人を、各社が競うように雇っているのであり、ここで出てくる技術者というのは、その辺に掃いて捨てるほど居る技術者とは違うのだ。



俺はR&Dで言えばDで働く技術者であるが、俺のいるような開発部隊は軍隊に例えられる。
つまり、全員が開発目標に対して同じ認識を持ち、厳密な指揮系統の下、物量作戦的に突撃するものだからだ。

そのため、開発部隊の隊員は言ってみれば消耗品であって、コストが安ければ安いほど良い。いわゆる3kと言われるのも詮無いことだ。

俺の部隊でも正社員がこの4月で3人辞め、2人が戦線離脱した。部隊に常駐してくれている下請け会社の人員に至っては、もう何人消えていったか分からない。

それでも、日本語という障壁があるからこそ、インド、あるいは東欧等の安くて優秀な労働力から守られている方だと思う。(中国の労働力はここ最近、コストがガンガン上がってるそうな)


翻って、R&DのRでは、軍隊よりも一人の天才が求められる。
これも冒頭で記事を引用した同Blogのどこかに記事があったと思うが、頭一つ抜けた技術革新を生み出すのは、圧倒的な労働力ではなくて、一人の天才だから。

だからこそ、どんな大枚払ったって天才を探すのだ。
Matrixのモーフィアスやトリニティよろしくthe Oneを探すのである。

逆に超一流未満の技術者はいらない。なぜって海外に行けば安くて優秀な技術者がいくらでもいるから。



そんなわけで、シリコンバレーの給与水準を押し上げているのがRの人なのかDの人なのかはともかく、超優秀な人間であるのは間違いない。

シリコンバレーで神様のエンジニアは、本当に神様である。
いくら傍若無人に振る舞ったって、全然問題なし。当然。