生命保険のカラクリ

生命保険のカラクリ (文春新書)
保険のことなんてさっぱり分からなかったので、とてもためになった。
以下、メモ

保険は、保障の性質を持つものと、貯蓄の性質を持つものに分かれる。
保障は万が一に備えるもの。貯蓄は発生の確率が高い、将来の出費に備えるもの
 
保険商品は以下の三種類に分かれる。
 死亡保障(遺族保障)
 医療保障
 生存保障(貯蓄)

 死亡保障は、本人が死亡したときに保障が受けられる、生命保険の基本。
 医療保障は、病気やケガをしたときのもの。ただし公的保障でもかなりのエリアがカバーされる。
 生存保障は、将来の出費や、老後に備えるもの。貯蓄と考えれば、なにも保険でまかなう必要はない。現在の金利を考えると、長期間低利率で固定されてしまううえに、保険手数料が馬鹿にならないし、途中解約にペナルティがある。
 
 医療保障にはそれほどメリットはなく、また金利の低い現時点で生存保障にメリットは少ない。
 医療保障、死亡保障に生存保障(貯蓄性)を含めているものは要注意。
 とすれば、現時点では掛け捨ての死亡保障がよさそう。

完全生命表:厚生省が発表する年代ごと死亡率の一覧
標準生命表:アクチュアリーhttp://www.actuaries.jp/index.html)が作成するもの。保険会社が積み立てておく準備金の算出に使用される。

生命保険会社は、死亡リスクを高めに見積もっている。
 
保険料は、割引を行ってはならない決まり(保険業法第300条)。リスクに応じた保険料を払うことになるので、「病気にならなかったら15万円ボーナス」などという宣伝文句を信用してはいけない。
 
保険料には、保険会社の運営手数料(付加保険料)が含まれている。
たいていの保険会社は付加保険料を開示していない。
手数料がいくらか分からないのに、貯蓄性のある商品を買うのは抵抗がある。


生命保険会社の利益
 死差益: 見込んでいた死亡リスクとの差分。これが多いと死亡リスクを高く見積もりすぎ
 利差益: 見込んでいた資産運用利回りの差分。低金利の今では真っ赤。
 費差益: 見込んでいたオペレーションコストの差分。

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