三銃士

アレクサンドル・デュマの三銃士を読んだ。
三銃士 (上巻) (角川文庫)
作者の、青年に対する愛情が感じられるような本だった。
そういえば、モンテ・クリスト伯でも、ファリア神父にダンテスのことを青年だからと信用させている。

いわゆる悪役もよかった。
最初はロシュフォール伯爵と先々の因縁を感じさせるのだが、ミレディーの強烈なキャラの前にはかすんでしまう。そもそも伯爵はいいとこなし。
新しい。古いんだけど新しい。

エンターテイメントとしては楽しめたのだが、モンテ・クリスト伯の冒頭のような、どのようにして人は人を裏切るか、といったような生々しい描写のないのが物足りなかった。

そういえば、読んだのは角川版だが、そもそも三銃士は、黄色い背表紙の講談社文庫で、けっこうな冊数のシリーズだったような記憶がある。
ので調べてみたら、講談社文庫で全訳されており全11冊。角川は抄訳版であったか。
ひょっとすると、抄訳のときに俺にとって興味のある部分が省かれたのかもしれない!伯爵にも見せ場があったのかもしれない!

しかし講談社版はすでに絶版…。
と、思ったら復刊ドットコムで復刊している!
と、思ったら、一冊2000円…。