強い者は生き残れない環境から考える新しい進化論

新潮選書 強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論
全体的に、説明が足らない気がした。
こういう話を一般的にわかりやすく書くのは「生物と無生物のあいだ」の人が上手だと思った。

進化論のうち、環境が生物を選ぶという、環境説の話。

産業革命後のイギリスが、煤煙で木の幹が真っ黒になると、もともと白っぽい蛾がかなりの短期間で黒く変化したように、進化というのは思ったよりも早く進行する。また、このように、環境の変化が生き残る生物を選びとる。

で、変化というのは、いつ何時訪れるか分からないので、下手に最適化してしまうと次の変化を生き残れない。
だから、ある環境で最も強いものが生き残るのではなく、そこそこ適応しているレベルの方が有利。
また、環境になるべく依存しない仕組みをもつものが有利。

面白かったのが次の2点。
安定期であっても、遺伝子は常に変化していること(中立説)。種として次の変化に対応できるようバリエーションを増やしているんだと。
過去に大絶滅は5回起こっているが、実は今が6回目の大絶滅期。つまり人間のせいで種の数が激減しているということ。

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